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面接・採用で、採ってはいけない人 事例集<6>

採用・面接で採ってはいけない人=過去の栄光への期待

過去の業績を鵜呑みにしてはならない

「先生、今度、同業他社で業績をあげていたAさんを将来の取締役候補として、採用することに決めました!これで、業績が上がりますよ!」
当事務所のお客様である経営者の方から、たまに聞く話です。

このセリフを聞くとき、喜んでいる経営者の方に、同調して「ああ、良かったですね」と本当に心の底から祝福すると同時に、私の心には、一抹の不安がよぎります。
「大丈夫かなぁ~」です。

どんな不安かと言うと・・・「以前の会社で、成果をあげられたからといって、転職して成果をあげられるとは限らないんだけどなぁ」です。

「採ってはいけない人」を見極めるのは、ホントに難しいですね。

成果をあげたプロセスは?

以前の会社で、なぜ成果をあげられたか、すなわち成果をあげる事ができたプロセスをきちんと把握し分析した上で、自分の会社でもその力を発揮してもらえると判断したのでしょうか?

もしかすると以前の会社では、その人の部下が、本当に優秀で成果をあげられたのかもしれません。あるいはその人の部下の中に、非常にマネジメント能力に長けた人がいたのかもしれません。
はたまた、以前に勤めていた会社の経営者のやり方に、非常にマッチした人材だったのかもしれません。
また、昭和のビジネスモデルでの優秀者だったという、過去の業績に過ぎないのかもしれないのです。

たとえば・・・優秀な営業マンが部下の中にいて、その人の強引な営業のおかげで、業績があがっていただけなのかもしれません。御社が採用しようとしている人材は、ビジネスモデルを作り出したり、部下のモティベーションを維持・管理できるような人材でなく、言われたことをきちんとやることができるという「ただの営業事務長」さんかもしれないのです。

「採ってはいけない人」を見極めるのは、ホントに難しいですね。

まずは、採用したい人材像を明確に!

まずは、御社では組織風土も踏まえ、「どのような人材像を採用したいのか?」「幹部だったら、こういう人だ」という採用したい人材像を明確にすることから始めてみてはいかがでしょうか?

決して、他社での業績をやみくもに信用するのでなく、過去の業績は優秀であるという「参考材料」の1つだと認識し、まずは採用したい人材像を明確化することを行うべきです。それでないと、ついつい「過去の栄光」に過度に頼った採用をしてしまいがちなのです。

「採ってはいけない人」を見極めるのは、ホントに難しいですね。

そして、「採用したい人材像」を採用面接シートに使用する

人材像の明確化ができましたら、それを「採用面接シート」に利用されたら、どうでしょうか?

たとえば、「幹部なら部下の面倒を見る事が最重要視」の会社風土だといわれるならば、「部下が困っていたら、最後まで話を聞いてあげられますか?」や「私生活の事でも部下の悩みを聞き相談に乗ってあげる事は可能ですか?」のような採用面接質問集ができあがります。

このように、ベースとなる面接時の質問は、決めておかれるべきです。そうでないと、世間話のような面接になり、面接後、「さて、何を質問したかな?」ということになりかねません。そのような状態では、見た目や過去の業績に左右された採用になりがちなものです。

「採ってはいけない人」を見極めるのは、ホントに難しいですね。

最後に

最後に繰り返しにはなりますが、「そもそも、当社においてどのような人材が、必要なんだろうか?」ということを今一度、見直しされることをお奨めいたします。お忙しいことは、承知しておりますが、この部分を明確にしないと、採用活動を繰り返すはめになります。

きっと、明確にすればするほど、それに合った人材が、必ず現れます!

「採ってはいけない人」を見極めるのは、ホントに難しいですね。

糀谷博和